サッカーファンの日常

f:id:keyzersoze14:20190604145516j:plain

サッカーファンは週末の試合に向けて少しずつ気持ちを盛り上げる。常に贔屓のチームのことを考えながら仕事をしている。次の対戦相手の調子や贔屓チームの選手の怪我状況、練習を観に行くことができたら、その練習様子。ネットによるメディアの記事や試合プレビューなんかも見るが、役に立たないことも。意外と専門記者より長年チームを見てるサポーターの方が分かってることが多い。そうして週末の試合を迎える。


試合当日はスタジアムに2時間とか3時間前に到着している。自家用車でスタジアムへ向かうサポーターはどこもクルマがいっぱいで近隣の駐車場に駐車できなくなるためだ。ただ席取りをするサポーターはもっと前に来てるかもしれない。


スタジアムに入って座る席が決まったら、グッズ売り場やグルメを物色してぶらぶらする。お値段はちょっと通常の飲食店と比べて若干高めの感じ。スタジアムの席は自由席だったら、グラウンドに近い席を選びがちだが、玄人の皆さんはより全体を見渡せる上の方の席を選ぶということも知っておこう。


試合前になると選手達がグラウンドに出てきてウォーミングアップを始める。まずはGK陣が出てきてそのあとにフィールドプレーヤーだ。オシム前日本代表監督はこのウォーミングアップの様子である程度試合の勝敗を予則してしまうらしい。


ウォーミングアップが終われば、スタジアムのDJによる選手紹介が始まる。

ホームチームはムービー付きでカッコよく紹介される。サポーターによるチャントも鳴り響く。アウェーチームは名前を呼ぶだけだ。


選手入場。スタジアムにアンセムが流れる。

Jリーグだったら公式アンセムが流れるが、サポーターによるアンセムも歌われる。

サポーターアンセムリバプールのYOU'll NEVER WALK ALONE が有名。

先発メンバーが相手チームと審判団と握手交わしたら、記念撮影が行われる。


記念撮影が終わると選手がピッチに走り出し、ポジションについて軽くボール回しをする。ホーム・アウェイの各サポーターがチャント合戦を繰り広げ、スタジアムに少しずつ緊張感が高まってくる。キックオフ直前、先発メンバーがピッチ真ん中に集まり、円陣を組む。この時、僕はピッチの選手達に頼む〜という念を送る。


キックオフ!


試合中は状況により、観てる方の精神状態は大きく変わってくる。一点差で勝っている時は相手チームの攻撃に肝を冷やしながら戦況を見守るが、負けている時は藁にもすがる思いで逆転を祈る。

あまり安心して見られる試合は多くない。


サッカーには様々なドラマが起こる。試合終盤ロスタイムに勝ち越すような劇的な勝ち方をすれば、その逆もある。

とにかく点が入ったり、チームが勝利した時のスタジアムの一体感は何物にも、変えられない、

サポーターは自分達のチームが勝った時の嬉しさや感動が忘れられずスタジアムに通う。

そうして皆サッカーの魅力に引き込まれていく。


試合終了の笛が鳴った瞬間、勝っていればチームやサポーターは喜びを爆発させる。そしてそれぞれがとぼとぼと帰路につく。それまで試合中は大きな歓声やチャントが鳴り響いたスタジアムも静かになってサポーターもぽっかり心に穴が空いたようになる。

ちなみにサポーターはチームが勝てば次の試合まで幸せな日々が続くが、負ければ次の試合まで一週間暗い気持ちで日々を過ごすハメになる。

サポーターはこうしたサイクルをシーズン中ずっと繰り返す。応援するチームが生活の一部になっていくのだ。

チームと共に生きる。そんなサポーターの生活は精神衛生的にあまり良くないのかもしれないが…サポーターの人生をより濃くエキサイティングにしているのは事実だ。

それはそれで本当に素晴らしい人生になっていると僕は思う。